VRの介護分野への活用事例集7選!認知症の体験もできる?

皆さんこんにちは!現在、日本は「超高齢化社会」といわれ、高齢化率は断トツの世界一位です。

同時に、高齢者の介護問題も年々深刻さを増し、少子化も進む中、人手不足も相まってとても大きな問題となっています。

しかし、この問題を市場ととらえることもできます。今回は介護業界に進出し、様々な革新的手法を提供するVR技術の介護業界での活用事例を見ていきましょう。

目次

ヒューマンライフケア:介護技能研修VR

居宅介護支援、訪問介護、有料老人ホーム、デイサービスなど多岐にわたる介護サービスを展開するヒューマンライフケア株式会社は、介護スタッフに向けた教育研修に、VR技術を用いたコンテンツを導入しています。

 

ヒューマンライフケア VR(仮想現実)を活用した独自の介護スタッフ研修をスタート

これまでの座学研修における介護スタッフの教育は、どうしてもトレーナーの一方的な教育によって受け身になりがちで、十分に効果を発揮することができませんでした。

この問題を解決するためVRコンテンツの導入がなされています。VR技術の導入により、座学研修では難しかった経験値を積める能動的な研修が可能になっています。

このVR研修では、介護される側の視点を体験できる仕組みや、360°見渡せるVR空間の特性を生かし、介護現場の危険な場所を探し出すなどの研修が行われています。

ヒューマンライフケアはこのVRプログラムの整備によって知識と経験を組み合わせた効果的な研修を可能とし、今後さらにコンテンツを拡充していきさらなるサービスの向上を予定しているといいます。

シルバーウッド:認知症体験

高齢者住宅、施設の企画、開発、施工、管理などを行っている株式会社シルバーウッドは認知症ではない人が、VRコンテンツによって認知症を体験することができる、VR認知症体験プロジェクトという取り組みを行っています。

このプロジェクトはVR技術を活用して、認知症ではない人が認知症の主な症状を体験するもので、この体験から、人々の認知症に対する知識を文字によるものだけでなく、能動的に体験することで、「物忘れ」だけにとどまらない認知症の誤解や誤った認識を正し、理解してもらうことを目的として行っており、これまで様々なメディアや教育機関、企業などで注目され、たくさんの実績を上げています。

VR技術で、人々の認識を変えることができれば、今後様々なアイデアや認識が生まれていき、世間に新しい風が吹くのではないでしょうか。このVR技術を活用したプロジェクトは、その先駆けとなっていくことでしょう。

スリーディー・豊橋技術科学大学:VRを活用した介助訓練

3次元グラフィックスソフトウェアや、コンテンツ、さらにバーチャルリアリティー関連機器で医療や介護分野に貢献している株式会社スリーディーは、豊橋技術科学大学と共同で介護訓練VRシステムについての特許を取得しています。

 

[介護] 介護訓練VRシステム

このシステムは仮想空間内で被介助者モデルに触れることができモーションキャプチャシステムやセンサーを利用して、介助者の接触力を計算することができ、現在は肘部に限って力覚情報がユーザーに伝えられますが、将来的には手掌部や胸部、腰部に至るまで力覚情報を拡充し、ユーザーに「持ち上げた感じ」をリアルに伝えることで、介助訓練システムとして確かなものにしていく予定だといいます。

フロリット:「家に帰る」を疑似体験するVRサービス「おもいで眼鏡」

VRサービスや、社内向けの顧客管理システム、コールシステムを企画、開発している株式会社フロリットは高齢者向け3D-360度VR撮影・4DVR体験サービス「おもいで眼鏡」の提供を行っています。

入院中や老人ホームでの生活を余儀なくされている高齢者の「家に帰りたい」、「孫の結婚式に出席したい」などの要望をかなえることができず、残念な思いをする家族の人も多いと思います。

このような要望をVR技術で少しでも叶えるために開発されたのが、フロリットの「おもいで眼鏡」です。

このシステムは、依頼を受けると、指定された場所をスタッフが360°カメラで撮影、編集し依頼者にVR機材と特殊機材によってその場所にいる視覚的なアプローチだけでなく、においや感触なども特殊機材によって再現し、あたかもその依頼者の指定した場所にいるかのような感覚を提供するというものです。

この技術により、病状やその他事情により家に帰りたくても帰ることのできない高齢者にバーチャル空間ではあるものの、「家に帰る」ことを疑似体験してもらうことができます。

また、フロリットはこの技術を応用して、闘病中で入院生活を余儀なくされている子供に、様々なVR体験を提供するなどの取り組みも行っています。

VR技術を用いて、人々の心に訴えかける取り組みとして大いに注目でき、拡充されるべき技術といえるのではないでしょうか。

ジョリ―グッド:VR研修「ケアブル」

世の中のニーズに合わせたさまざまなコンテンツを提供している株式会社ジョリーグッドは社会福祉法人善光会の監修のもと、国内の訪問・在宅介護や特別養護老人ホームなど、介護に関わる事業者・施設・団体向けに、介護職員の「現場力」をVRで教育できる、介護研修VRサービス「ケアブル」を発表しています。

 

介護の「現場力」をVRで集中体験学習!介護研修VRサービス「ケアブル」開発、全国の介護事業者向けに提供開始

介護の現場における新人スタッフの教育不足が、人手不足、早期離職の原因となっていることから、介護スタッフの教育はとても重要な役割を担っています。

ケアブルでは介護職員と被介護者の両方の立場をリアルに再現されたVR空間で体験することができ、介護をするスタッフの目線で日常の様々な危険を察知する「危険予知」や、被介護者目線で介護スタッフの対応を確認できる「認知症理解」などのコンテンツが用意されており、介護現場での問題解決に対する「現場力」を高めることができます。

また、このシステムの中には、VR体験者の視線解析などからトレーニングの習熟度をスコア化することで、複数の介護職員を抱える管理側が、各スタッフのトレーニングの受講履歴や習熟度を確認することができます。

実際に体験した受講者は、ほとんどが「わかりやすい」、「気づきが生まれる」など効果を実感しており、今後さらなる介護スタッフ育成環境の最適化に役立てられるといいます。

登嶋健太:旅行体験VR

東京大学 先端科学技術研究センターの学術支援専門職員であり、VRサービスの開発・販売・運営を行う株式会社ハコスコのチーフトレーナーとしても活躍する登嶋健太さんは、入院や、心身の状態から外出が難しい高齢者向けにVR技術を用いた「疑似旅行」体験を提供しています。

この取り組みは2017年に総務省「異能vation」のジェネレーションアワード特別賞を受賞しています。

 

ハコスコストア

登嶋健太さんは勤めていた高齢者向けの介護施設で外出や歩行が困難な高齢者に、その場で、手軽に旅行に行けるような体験を提供したいという思いで、360°カメラを用いて、世界中様々な場所を撮影し、軽くてコンパクトなハコスコの段ボール製のVRゴーグルに出会い、アナログ世代の高齢者にも親近感を持ってもらえる、VR旅行体験の取り組みを始めました。

現在も「VRレクリエーション」と名付けたこの取り組みを全国のさまざまな介護施設の利用者に提供しているといいます。

登嶋さんは今後は福祉活動とVR技術を掛け合わせ、さまざまな人々にアイデアや気づきを与えていく活動を続けていくそうです。

東京福祉保育専門学校:VR介護福祉士体験

先にも述べたように、介護業界では深刻な人手不足が叫ばれています。未来の保育士、幼稚園教諭、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士を養成する専門学校東京福祉保育専門学校では介護福祉士の仕事を理解してもらうための介護福祉士体験コンテンツをVRにて提供しています。

介護士が普段どんな仕事をしているのか、どのように高齢者と接しているのか、疑似体験をしてもらうことで、具体的な介護者目線のイメージを持ってもらうことを目的としています。

また、介護の現場での離職問題に一石を投じるため、介護を志す前の学校教育の段階でVRによるリアルな体験を得られることは大きな意味を持つのではないでしょうか。

このように、介護を志す若い世代に向けて、まず「知ってもらう」という取り組みも、VR技術は大きく貢献できることでしょう。

まとめ

VR技術は分野を問わず活用することができ、人々に革新的な経験を与えることが可能ですが高齢者などのアナログ世代には少なからず不信感を持っている人も多い現状があります。

そんな中、段ボールで覆われ自分でデコレーションしたり、絵をかいたりできるVRゴーグルの開発がなされるなど、アイデアひとつで印象が変わり、親近感の湧くツールにも変身します。

今後もVR技術の広がりが楽しみですね。

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